CDは何枚プレスするべきか。あんまり売れないだろうし・・・。そんなときは、即完売できる枚数だけプレスしよう!

レコーディングエンジニアのパンジー関です。
 
CDを作りたい。というか作ったけど、プレスどうしよう。
何枚プレスしよう。
 
ここでみなさん必ず迷います。
めっちゃ気持ち分かります!
プレスするのにも料金がかかりますから、当然ですね。
 
 
結論から言います。
 
プレスする枚数は、絶対に売り切れると確信が持てる枚数だけプレスします。
 
「絶対売れるなんて自信持てないんですけど・・・」
 
気持ちはすごく良く分かります。
けどどんなに自信が無いといっても、1枚も売れないというわけではないでしょう。
 
5枚はどうでしょう?
5枚なら売れないでしょうか?
 
「う~ん、5枚ならなんとかなりそうです」
 
それなら5枚だけプレスします(業者に出す必要は無いですね)。
5枚CDを作ったら、頑張って売ります。
販売初日のライブの物販コーナーに、「残り5枚!早い者勝ち!」という看板を置きます。
絶対売れると確信を持った枚数なので、すぐに5枚売れます。
 
そ・う・し・た・ら、
 
ホームページのディスコグラフィーのページには「完売!!」と大きく表記しましょう。
これでOKです!
次の作品を作りましょう。
 
 
 
「ちょっと待って!もっとプレスしておけば良かったですよ!」
 
はい、最高です。
ここが商売の難しいところです。
「もっと作っておけばよかった」くらいのところで生産を終わりにするのが商売のコツです。
 
確かにもうちょっと作っておいたら、その分売れたでしょう。
しかし世界中のあらゆる商品が、これ以上は絶対に売れないという上限があります。
この上限を超えると、在庫が余ってしまうんです。
これは最悪なのです。
 
商品の生産個数には、デッドラインがあるんです。
消耗品でも、1日に生産して良い個数は上限があります。
このデッドラインにどこまで近づけるかが、経営者の手腕を問われるところです。
デッドラインは超えてはいけないんです。
 
デッドラインを超えて在庫があまる状態は、アーティストの精神衛生上たいへんよろしくないです。
売れない在庫をいつまでも持ち続けることほどモチベーションが下がることは無いです。
 
「どーすんだよこの山積みのダンボール」
「お前、かーちゃんに売ってこいよ」
「ブックオフなら買ってくれるんじゃね?」
 
みたいな不毛な会話が生まれます。
デッドラインを超えているのでもう売れない。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
どうせ売れないからライブにも持っていかない。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
バンド内で、CDのセールスの話はタブーな雰囲気が生まれる。
 
ダメ!絶対!
こんな状態になってはいけません。
未来が見えないです。
 
こんなことになるくらいなら、絶対に売り切れる数だけプレスして、すぐに売り切っちゃう。
完売にしちゃう。
 
「もっと作っておけば良かったじゃんかよ!」
「もっとってどのくらいだよ?」
「もう20枚くらいはいけたよ!絶対いけたよ!もったいねー!」
「だったら次のCDはもう20枚多く作ろうぜ!」
「よーし!!」
 
こういった議論になる方が、精神衛生上はるかに良いです。
けど次のCDも、絶対に売り切れる最小限の枚数に抑えます。
 
こうしていくと、ディスコグラフィーには「完売」の札が並びます。
すぐに完売にしてしまうことによって、買おうと思っていたのに買えなかったというお客さんが生まれます。
 
そのお客さんにはこう言います。
「ごめんなさい、このCDはもう在庫がなくなっちゃいました。今次の作品作ってます!完成したらお知らせするので連絡先を教えてください!」
 
客さんの中に生まれた、買えなかったというフラストレーションは、次の作品を買ってもらうことによって解消していきます。
 
物販コーナーには、過去発売したけど売り切れて、「完売」の札が貼られたジャケットの絵が並んだ看板を置きます。
新しい音源を発表するとき、ライブのMCで、「早々に完売になることが予想されます。気になった方は今のうちに買っておいてください」とアピールします。
 
高い目標を掲げて頑張ることはもちろん大変すばらしいですし、ぜひ応援したいですが、在庫は絶対に抱えてはいけないのも事実です。
CDは完売させるべきです。
今は量産の時代です。
 
いけないのは、滞ってしまうことです。
同じ在庫を何年も抱え続けて、商品ラインナップが変わらない、というのはダメ!絶対!
たとえ売り上げが大きくなくても、売って、完売して、次の作品を作る。
こうして回転し続けている方が未来があります。
滞って動かない。
これでは未来が感じられません。
 
作品を作り、お客さんの反応を受け、それを踏まえてまた作品を作る。
じゃんじゃん回転させる。
こうして前へ前へと進んでいくのがオススメです。
 
 
 
 
 
 
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