真空管コンプ(Fairchild670)を4つ比較してみました。No.1はSLATE DIGITAL のVBC!

レコーディングエンジニアのパンジー関です。

プラグインの真空管コンプ(Fairchild670系)が欲しくて探し回り、最終候補に残った4種類を徹底比較してみました。
比較したのは以下のものです。

・Positive Grid Matching Compressor
・SLATE DIGITAL Virtual Buss Compressors
・Acustica audio Ultramarine3
・WAVES PuigChild Compressor

それぞれデモを落として色々比較しました。
結論から言うと、

SLATE DIGITAL Virtual Buss Compressors

が一番良かったです。

個人的な順位としては、

1位:SLATE DIGITAL Virtual Buss Compressors
2位:Positive Grid Matching Compressor
3位:Acustica audio Ultramarine3
4位:WAVES PuigChild Compressor

でした。
比較検討した結果を書いていきます。

■ SLATE DIGITAL Virtual Buss Compressors FG-MU ■

VBCラックの使い方動画あります。

堂々1位を獲得し、僕の銀行口座から2万円を引き落としてくれたプラグインです。わーい。
Fairchildといえば、「通すだけ」という使い方をよくするコンプです。
「なんだそれ」って感じですが、本当に通すだけであらゆる全てが feel so good ! って感じになってくれます。

通すだけでいい感じなんですが、その「いい感じ具合」はインプットをどれだけ突っ込むかで調節できます。
いい感じの正体はサチュレーションですね。
インプットを突っ込めば突っ込むほど、明るくカラっとした感じになります。
このカラっとした感じになってくれる効果を、僕は個人的に「から揚げ効果」と呼んでいます。
からりと揚がった美味ししいから揚げみたいになってくれます☆
揚げすぎると焦げ付くところもそっくり!

インプットをさらに突っ込んでいくと歪んで音が割れてきます。
サチュレーションがディストーションになっていく感じ。
けっこう派手にかかります。
このサチュレーションの具合が、1位になった決め手です。
めちゃめちゃ気持ちいい。
派手に音が割れても気持ちいい。

インプットの突っ込み具合で、から揚げ効果(サチュレーション)を調整したら、次は必要に応じてスレッショルドを上げていきます。
コンプですね。
アタックとリリースが付いているのがめちゃめちゃ便利!
このVBCは、Fairchildだけではなく、FairchildとManley Vari Muのいいとこ取りになっているらしいですね。

コンプの具合を調整したら、最後はアウトプットで出音の調整をします。
アウトプットもぐいぐい上げていくと、から揚げ効果が起こります。

いや~これいい!
あまりに良すぎて、デモの段階でもう途中のプロジェクトに挿しまくってしまい、もはや購入せざるを得ない状況になってしまいました。
これ無しでのミックスはもう考えられないです。
M/S、DRY/WETも付いてて至れり尽くせりです。
正直Positive Gridのとも迷った部分無くはないのですが、サチュレーションの気持ちよさがVBCの方が2段は上でした。

けどVBCを持ってて、その上でPositive Gridは買ってもいいなと思ってます。
こいつはこいつで面白い。

■ Positive Grid Matching Compressor ■

これ、面白いです!
Positive Gridのファンになりました。(買ってないけど)
Fairchildの上に、真空管が刺さってます。
この真空管、いくつか種類があって、取り替えられるんです。
無しにもできる。
VBCと同じくインプットを上げていくとから揚げ効果が起こるんですが、真空管を挿すとから揚げ効果にターボがかかる感じです。
ド派手にサチュレーションがかかります。
しかもこの真空管やトランスなど、4種類のパーツを組み替えられます。

INPUT STAGE TUBE(4種)
CAPACITOR(3種)
OUTPUT STAGE TUBE(3種)
TRANSFORMER(3種)

これだけあり、組み合わせで言うなら108種類のセッティングが楽しめます。
おもしれ~。
このバリエーションが楽しい。
サチュレーションの気持ちよさで言うなら個人的にはVBCの方が上だと思いましたが、よりバリエーションに富んだ調整をしようと思った時に必ず出番はあるでしょう。
質も高いです。
値段も安いし。
M/S無し。
DRY/WETあり。
いや~オススメです。(買ってないけど)

■ Acustica audio Ultramarine3 ■

ウルトラマリン。
こいつは、正直デモの期間では使いきれなかったです。
深い。
そして僕にはちょっと使いにくかったです。
すごい変わっているのが、インプットのつまみ。
インプットは上げていってもから揚げ効果は起こらないです。
そして、音量も上がらないです。

はじめなんだ?って思いました。
どうやら、インプットを上げていくと、出音がその分下がってくれるんです。
インプットを上げても出音の音量は変わらないのですが、ウルトラマリンの内部では音量が上がっています。
なので、インプットを上げていってやると、コンプがめちゃめちゃかかります。

ナルホド、そういうことか。
SHMODというつまみがアタックです。

で、アウトプットを上げていくと、から揚げ効果が起こります。
サチュレーションの具合も結構独特。
ウルトラマリンでしか得られない色付けになります。
言葉では説明できないぜ。
C-linkというボタンをオンにすると、上と下のつまみが連動してくれます。
けど、C-linkをオンにしても、メーターのインプット/リダクション/アウトプットのつまみは連動してくれないです。(してよ!)
あと、うわさ通り挙動はちょっと不安定。
そしてアクティベーションがえらい複雑。
時間くった~。
M/Sあり
DRY/WETもあり。
ハマる人はめちゃめちゃハマると思います。
気になった方は、まず一度デモを試してみてください。

■ WAVES PuigChild Compressor ■

みんな大好きWAVES。
WAVESのプラグインはどれもこれも使いやすいですよね。
PuigChild Compressorも使いやすいのだろうと思っていましたが・・・、

使いにくっ!!

デモの期間しか試していないですが、えらい使いにくく感じました。
まず、メーターが切り替えられない。
リダクションしか分かりません。

僕は結構、インプット/リダクション/アウトプットを切り替えながらプラグインを使うのですが、こいつはその切替ができないんです。
不便ですよ~。
上位3つはインプット/リダクション/アウトプットの切り替えができるのに。。。
残念。

あと、インプットを上げてもから揚げ効果は起こらないです。(起こってるのかな?)
アウトプットを上げていくと、ほんのりサチュレーションがかかります。
ド派手にはかからない。
これくらいで十分でしょ、ということなのでしょうか。

ん~、個人的にはもう少し分かりやすくからりと揚がって欲しいところです。
せっかくFairchildを使うのですから。

アタックとリリースは、やっぱり個別に設定したいですよね。
VBCを触った後では特に思ってしまいます。
どうしてこういう仕様になったんでしょうかね。
きっと納得できる理由があるのでしょう。

ただ、総じて僕にはあまり合いませんでした。
M/Sあり。
DRY/WETなし。(←無いのかよ!)

というわけで、WAVESなのにまさかの最下位。
上位に食い込むと思っていたのに。。。

まとめ

真空管コンプ(Fairchild670系)4つの比較。
デモを色々試した結果、

1位:SLATE DIGITAL Virtual Buss Compressors
2位:Positive Grid Matching Compressor
3位:Acustica audio Ultramarine3
4位:WAVES PuigChild Compressor

という順位になりました。
SLATE DIGITAL VBC、本当にオススメです。
3つの抱き合わせになっていますが、FG-MU1体だけでも2万円の価値は十分あります。
セールを待つことないです。
即買いです。
VBCの無い日々の方が考えられません。

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